
建築物外壁のエネルギーの流れと湿気をコントロールすることは、省エネ、及び建物とそこに置かれる物の保存、また住居者の快適さに関して決定的な重要性を持つ。この重要な要因を達成する為には、外壁材の選択と施工性の高さもまた重要な事柄となる。
外壁材の一つとしてEIFS:Exterior Insulation Finishing System(外断熱仕上げシステム)は、エネルギー効率と、空気/湿気コントロールの両方の性能を併せ持っている。EIFSは1969年以来、北米で幅広く使用されており、その有効性は更に認識され、2009年、IBC( International Building Code ) 及びIRC( International Residencial Code ) によって認められるところとなった。
しかしながら今日まで、様々な壁構造におけるハイグロサーマル(温度と湿度のコントロール)の比較を数量的、質的に得ることは難しいことであった。実生活でのデータの収集不足が原因である。

気温が高く、湿気が多い気候の土地で、外装材の性能に関するデータが、実生活に根ざした形で収集されたのである。実験の対象となったのは以下の5つの構造体である。
・EIFS
・排水機能付EIFS
・レンガ
・スタッコ
・セメント系サイディング
サウスカロライナ州チャールストンの近くで実験は行われた。
実験の目的の主要は、どの壁構造体が最も良く湿気の浸透に適応するかということであった。
冬季にあっては、外壁シージングとウッドフレームの近くが最も相対湿度が高くなることがわかった。湿気や水は、欠陥や不適切なデザイン、界面材料の不適切な施工により、壁構造体に入り込んでいく。コントロール不可能な湿気の移動は適切に処理されない限り重大な材質の劣化を招く事となる。
方位もまた、相対湿度に影響する。北西を向いたEIFS壁パネルは、南東を向いたパネルより外壁シージングにおける相対湿度が17%高くなることが判明した。
複合壁内の相対湿度コントーロールに対して最も良い性能が見られたのはEIFSパネル(EPS厚み102mm)であった。
スタッコ(ポルトランドセメントプラスター)は、夏季・冬季とも相対湿度が一番高かった。


この実験が示すことは、EIFSは湿気や熱の吸収がより少ないだけでなく、壁構造体の中において、温度や湿度のコントロールをより良く行うことができるということである。
更にEIFSは、湿気と温度のコントロールを適切なバランスに保つ性能があることが示された。
この実験で調査されたその他の壁構造体に比べ、温度が高く、湿気の多い気候の土地でEIFSを選ぶことは、省エネ、温度と湿度の調整を含む、重要な建物の性能を達成するキーポイントとなることが証明された。
写真提供:Parex
壁システム内の温度と湿気のコントロールに対するEIFSの性能を理解する大きな手がかりとなることは間違いない。
ORNLのこの実験は今年末までに終了し、結果は2010年に発表される予定である。